糖尿病の食事療法は減量、減量とうんざりするほど聞かれていると思います。
「減らす」よりも「足す」、「制限」よりも「楽しむ」といったポジティブなアプローチを取り組んではいかがでしょうか?また、一人ひとりのライフスタイルや好みに合わせてカスタマイズすることで、実践しやすさが向上します。
糖尿病患者さんの中には、従来の食事療法のアドバイスを実践することが難しい方もいらっしゃいます。そのような方々に対しては、無理なく取り組めて効果的な方法を以下に事例をご紹介します。
1:「何かを減らす」より「何かを足す」アプローチ
*水を積極的に摂取:食事前に一杯の水を飲むことで満腹感を促し、過食を防ぎます。水分補給は代謝を促進し、血糖値のコントロールにも役立ちます。
*食物繊維を足す:普段の食事にオートミールを少量加えるだけで、食物繊維の摂取量が増え、血糖値の急上昇を防ぎます。
2:食事環境のさりげない調整
*小さな皿を使う:視覚的に満足感を得られ、自然と食べる量が減ります。
*食事の際に音楽を流す:リラックスした環境で食事をすると、食べる速度が遅くなり、満腹感を感じやすくなります。(ここは人それぞれです)
3:買い物リストの活用
*計画的な買い物:あらかじめ健康的な食品をリストアップしておき、それ以外のものは買わないようにします。これにより、家に不健康な食品を持ち込む機会が減ります。
*満腹時に買い物をする:空腹時の買い物は高カロリーな食品を選びがちになるため、満腹時に行うようにします。
4:簡単な置き換え術
*白米を半分だけ雑穀米に:いきなり全部を変えるのは難しい場合、まずは半分だけ置き換えてみます。
*甘い飲み物を炭酸水に:ジュースや清涼飲料水を無糖の炭酸水に置き換えることで、カロリー摂取を大幅に減らせます。(炭酸水については逆流性食道炎を引き起こすこともあり)
5:ながら運動の提案
*テレビを見ながらストレッチ:食事療法だけでなく、軽い運動を取り入れることでエネルギー消費を増やします。
*歯磨きしながら片足立ち:バランス感覚を養いながら筋力アップにもつながります。
6:食事の順番を気にしないで一品足す
*汁物を先に:食事の最初に味噌汁や野菜スープを飲むことで、満腹感が得られやすくなります。
*デザートに果物を追加:食後のデザートを高カロリーなお菓子から果物に変えるだけで、糖分や脂質の摂取を抑えられます。
7:視覚的な工夫
*食事の写真を撮る:毎日の食事を写真に収めることで、自分の食生活を客観的に見直すきっかけになります。
*カラフルな食材を使う:見た目が鮮やかになると食事の満足度が上がり、不必要な間食を防ぎます。
8:「食べない」ではなく「楽しむ」への意識転換:
*新しいレシピに挑戦:簡単に作れる健康的なレシピを紹介し、料理そのものを楽しむよう促します。
*季節の食材を取り入れる:旬の食材は栄養価が高く、味も良いため満足感が高まります。
9:パートナーシップの構築
*家族や友人と協力:一人で頑張るのではなく、周囲の人と一緒に取り組むことで継続しやすくなります。
*ペットとの散歩:犬の散歩などを日課にすることで、自然と身体活動が増えます。
10:褒美制度の導入
*達成度に応じたご褒美:小さな目標を達成したら、自分へのご褒美を設定します。ただし、食べ物以外の趣味やアイテムにします。
11:心理的アプローチ:
*ポジティブな言葉掛け:自分自身に「できる」「頑張っている」といった前向きな言葉を掛けるよう促します。
*食事日記ではなく感情日記:何を食べたかよりも、食事に対する気持ちやその日の感情を記録します。これにより、食習慣と心理状態の関連性を理解できます。
特に、「減らす」よりも「足す」、「制限」よりも「楽しむ」といったポジティブなアプローチは、モチベーションを高める上で有効です。一人ひとりのライフスタイルや好みに合わせてカスタマイズすることで、実践しやすさが向上します。小さな成功体験を積み重ねられると無理なく減量目標を達成できることでしょう。