もの忘れスクリーニング検査で早期発見を
認知症早期発見検診
当クリニックでは、認知症サポ-ト医、
老年病専門医(日本老年病医学会)による、
専門性の高い認知症の早期発見、
早期治療へつなげるため神経心理学的検査および脳SPECT検査、
MRI検査を行っています。
認知症とは
認知症とは、脳が病的に障害され、一度得た知的能力が著しく低下した状態のことを意味します。その原因はさまざまで、頭蓋内の病気によるもの、身体の病気によるものなどがありますが、最も多いのは「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」です。
認知症は、いくつかの異なった原因からなる病気をまとめて呼ぶ「総称」です。アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)は、認知症のうち最も原因として多い(半数以上を占めます)ものですが、全てではありません。その意味では、[認知症>アルツハイマー]という関係にあると言えるでしょう。
アルツハイマー病および脳変性疾患(脳神経が老化よりも早いスピードで死んでいく脳の病気)では、基本的に脳の萎縮が改善されることはありません。しかし、脳の萎縮を遅らせたり、病変していない神経細胞を活性化させるなどして、一時的に症状を改善することは可能です。
アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症
アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症(Alzheimer’s disease; AD)とは認知症をきたす病気の中で最も多い病気です。
その原因は不明ですが、脳内でさまざまな変化がおこり、脳の神経細胞が急激に減ってしまい、脳が萎縮して(小さくなって)高度の知能低下や人格の崩壊がおこる認知症です。
脳血管性認知症
脳血管性認知症(Vascular dementia)とは、脳の血管が詰まったり破れたりすることによって、その部分の脳の働きが悪くなりおこる認知症です。
脳血管性認知症は、脳のなかに大きな梗塞がある場合や小さな梗塞がたくさんある場合、脳全体の血流が低下している場合など様々な原因で発症します。脳卒中発作後に、突然、症状が現れたり、段階的に進行、悪化したりすることがしばしばみられます。
認知症の主な症状と経過
※この表は横にスクロールできます。
中核症状 (認知症機能障害) |
記憶障害 | 物忘れがひどくなり、物事を記憶することが困難になる |
---|---|---|
見当識障害 | 日時や場所だけでなく、人さえもわからなくなる | |
判断力の低下 | 理解力が低下し、筋道を立てて考えることができなくなる | |
周辺症状 (反応性) |
不安 | 落ち着かない、イライラしやすい |
幻覚・妄想 | あるはずのないものが見えたり、聞こえたりする。物を盗まれたというなど | |
抑うつ | 意欲の低下や思考の障害など、うつ病に似た症状があらわれる | |
徘徊 | 正しい場所の認知や判断ができなくなり、歩き回る | |
不眠 | 認知症の進行とともに、夜間の不眠や日中の転寝が増加する | |
介護への抵抗 | 入浴に対して抵抗をする。運動機能や条件反射の低下による不安などから口実をつけ介護に抵抗する | |
攻撃的行動 | 型にはめようとすることで不満が爆発するということが少なくない。また、幻覚や妄想から二次的に生じる場合ある |
BPSD
(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)
BPSDとは、不安やいらだち、暴言、暴力などの行動・心理症状のことをいいます。このBPSDは、認知症の人の不安や焦り、いらだちなどを早い段階で受け止めて、環境を整えたり適切な対応を取ることで、未然に防いだり改善できることも少なくありません。そのためにはご家族、介護者の方が気持ちにゆとりを持ち認知症の人に向き合うことができる環境をつくることも大切です。
アルツハイマー認知症とメタボリック症候群の関係
高齢化社会を迎えつつある現在、アルツハイマー認知症(AD)は約400万人と推定され、予備軍は1,000万人もいるといわれています。老年期患者さんの多くは複数の疾病を患われています。ADでは平均2.8個羅患され、上位3つはメタボリック症候群の高血圧症、糖尿病、脂質異常症です。ADの記憶障害の進行に影響する因子の一つに、高血圧が上げられています。高血圧のあるAD患者さんに記憶障害の進行が明らかに早いという統計上の結果が出ています。
では、いつ頃から発症するのでしょうか?AD発症の10~15年前から高血圧の発症が認められています。中年期の高血圧の治療は、老年期のAD発症抑制効果があり、老年期の治療の進行抑制効果があります。
また、糖尿病は糖尿病でない方と比べ、AD発症は2倍高いといわれています。糖尿病で認知症と指摘されていない患者さんの12%は精密検査するとすでに初期のADの段階であると言われています。ADのことは3型糖尿病と言われるくらい高血糖と認知症は密接に関わっています。
高血圧の治療は、継続して続けられることが大切です。糖尿病患者さんは、“AD健診”として、神経心理学的検査、脳SPECT検査を受けることが、ADの早期発見、早期治療につながります。
認知症早期発見検診
当クリニックでは、認知症の早期発見、早期治療へつなげるため神経心理学的検査および脳SPECT検査を行っています。詳しくは当クリニックまでお問い合わせください。
改訂 長谷川式簡易知能評価スケール
記憶を中心とした認知機能障害の有無をとらえることを目的に9つの質問項目で構成され、本人の生年月日さえ確認できれば、10分程度で施行できます。(加藤伸司,他: 老年精神医学雑誌, 2: 1339-1347,1991. 一部改変)
MINI-MENTAL STATE EXAMINATION (MMSE)
見当識、記銘、注意と計算、再生、言語などの合計11個の質問項目で構成され、検査時間は10分~15分程度です。(森 悦郎, 他: 神経心理学1: 2-10, 1985. 一部改変)
認知症予防のために~軽度認知障害(MCI)を早期発見する血液検査~
厚生労働省の発表によると、2025年には65歳以上の高齢者のうち認知症の人は約700万人(5人に1人)に増加すると予測されています。現在、認知症は症状の進行を一定期間防ぐ薬はあるものの、根本的な治療薬は未だ開発中です。大切なのは発症後の治療ではなく、発症前の予防です。認知症は、なる前に予防しましょう!
※別サイトへのリンクが開きます。
監修
おきた内科クリニック
院長 沖田 英明
日本老年医学会 老年病専門医・日本内科学会 認定内科医・日本消化器内視鏡学会専門医・日本リウマチ財団 リウマチ登録医・日本糖尿病協会 療養指導医・認知症サポート医・広島県医師会認定かかりつけ医・日本抗加齢医学会 学会員・日本喘息学会 学会員