かかりつけ医について

かかりつけ医とは

かかりつけ医とは、患者様の身体を総合的に診ることができる医師で、身体に関することを気軽に相談でき、体調が悪い場合に最初に診てもらう医師・医療機関のことです。幅広い分野の医療知識を把握しており、必要に応じて専門の医療機関や専門医の紹介を行っています。かかりつけ医を決めておくことで、病気の早期発見や早期治療にもつながります。
より詳しい検査や手術等が必要な場合には専門の医療機関を紹介し、かかりつけ医からこれまでの検査結果や治療内容を申し送れるため、新たな受診先での適切なアプローチにつながります。
また、介護保険の申請時には意見書を発行でき、身近な方で自宅看護が必要な場合には、訪問看護ステーション等の紹介も可能です。
かかりつけ医はより良い日常生活を送る上で欠かせない存在です。

かかりつけ医を選ぶ基準

医師のほとんどは、患者様の身体を総合的に診ることができます。安心且つ信頼できる医師をかかりつけ医にしましょう。また、話しやすいことも大切です。下記の項目を基準にして、かかりつけ医を選ばれることを推奨しています。

  • 安心できる。
  • 信頼できる。
  • 相談しやすい。
  • いつでも診てもらいやすい場所にある。
  • 診断や検査結果、治療法、薬の説明を丁寧に説明してもらえる。
  • 医師はよく話を聞いてくれて対応が良い。
  • 幅広い医療知識を持っている。
  • 専門の医療機関が必要な場合には、速やかに紹介してもらえる。

かかりつけ医を決めておくことのメリット

1.些細な不調や病気に関することを相談できる

かかりつけ医は、幅広い医療知識を把握するように心がけています。そのため、専門を問わずに患者様の些細な不調や病気に関することを相談できます。健康に関することを身近に相談できる存在です。病気に関することで不安や悩みがありましたら、何でも相談しましょう。

2.適切な診断を受けることができる

診察時には、まずは患者様の病歴をお尋ねします。それ以外にも身体状態や生活習慣等を確認させていただきます。丁寧な診察によって、適切な診断を受けることができます。定期的に診察を行うため、何か気になることがあった場合でも、すぐに対応可能です。総合病院や大学病院等では、予約しないと受けられない検査でも対応してもらえる場合が多いです。

3.専門の医療機関と連携を行いやすい

かかりつけ医が専門の医療機関で治療を行う必要があると判断した場合には、紹介状を発行します。患者様やご家族が専門の医療機関をいちから探すことは大変ですが、かかりつけ医からの紹介状があれば、速やかに適切な診療科を受診できます。診断・検査結果や治療方針に関することは、専門医とかかりつけ医が共有します。医療機関の連携により、適切な治療につながります。

4.意見書(主治医意見書)を発行してもらえる

要介護認定を申請する場合には、主治医意見書を発行する必要があります。すでに介護が始まっている場合でも、意見書を発行してもらえます。かかりつけ医がいない場合には、市区長村が定めている医師に診てもらう必要があり、短時間の1回の診察では患者様の状態に合った意見書を発行してもらえない可能性もあります。しっかりと患者様の状態を記載された意見書でないと、誤った要介護認定を受ける可能性があります。そのため、かかりつけ医を見つけておかれることを推奨しています。

5.地域包括支援センターやケアマネージャーと連携できる

地域包括支援センターやケアマネージャーと連携を行っています。かかりつけ医や利用する方の同意がある場合には、ケアマネージャーは市区町村に意見書の開示を請求できます。かかりつけ医は、地域医療や福祉等の役割も担っています。

6.在宅の看取りをしてもらえる可能性がある

在宅医療を行っているかかりつけ医の場合には、看取りをしてもらえる可能性があります。そうでない医師でも終末期の相談にのってもらえる場合が多く、訪問医やケアマネージャー、在宅医療に関する方達へと連絡してくれます。最期をどのようにして迎えるかは、個人によって異なりますが、かかりつけ医を見つけておくことによって、安心して過ごせます。

7.死亡診断書を発行してもらえる

自宅で死亡した場合には、かかりつけ医によって死亡診断書を発行してもらえます。これは、何か不審なことがないかを確認するためです。死亡診断書を発行しないと、検死が行われてしまうため、注意しましょう。かかりつけ医がいると、スムーズに手続きを行えます。

かかりつけ医を見つける方法

かかりつけ医には、総合的に診ることができる内科医を推奨しています。内科医には、様々な専門領域があります。現在、悩まれている症状の専門領域の内科医をかかりつけ医にされることを推奨しています。自宅近くの内科医に継続して受診し、生活習慣病等の薬を処方されている方は、現在かかっている医師がかかりつけ医になります。これからかかりつけ医を見つけるためには、下記の項目を参考にしましょう。

【参考】かかりつけ医の見つける方法

予防接種や風邪の際に受診しましょう

予防接種や風邪を引いた際に、一度受診してみましょう。医師との相性が合うのか等を確認してみて、対応が良ければかかりつけ医にしましょう。

特定健診、元気じゃ健診やがん検診を受けてみましょう

住まれている市区町村では、特定健診や元気じゃ健診を行っています。検診案内の書類に記載されている病院の一覧を確認して、自宅近くの診療所等で検診を受けましょう。検診には問診もあるため、医師の対応や相性が良ければ、かかりつけ医にしましょう。毎年、決まった病院で検診を受けていると、検診のデータが蓄積されます。そのため、病気の早期発見や早期治療につながります。自分に合ったかかりつけ医を見つけるためにも、定期的に特定健診や元気じゃ健診を受けることを推奨しています。

近所やインターネットの評判は参考程度に

すでに受診された方の評判は参考になります。インターネット等を活用して、診療所の評判を調べられることも良いかもしれません。しかし、必ずしも受診された方が感じられたことが自分に当てはまるとは限りません。受診された方の評判が良くて、自分も受診して良かったパターンや受診された方の評判が良くなかったが、実際自分が受診してみると良かったパターン等、様々です。かかりつけ医との相性があるため、近所やインターネットの評判は、判断の目安になりますがあくまで参考にしておきましょう。自分に合った医師に診てもらうことが大切です。

インターネットを活用しましょう

インターネットを活用して、自宅近くの内科を探してみましょう。まずは、どんな診療所があり、どんな専門領域の医師がいるか等を調べてみましょう。病院の公式サイトもあるため、専門領域や治療方針、医師の経歴、評判等を閲覧し自分に合いそうな診療所を受診しましょう。いくつか受診してみて、医師の対応が良くて、自分と相性が合う診療所をかかりつけ病院にされると良いかもしれません。

かかりつけ医を見つける際には、下記の項目に気をつけましょう

自分に合ったかかりつけ医を見つけるためには、下記の項目を参考にしましょう。

地域に寄り添っていて、通院しやすい

かかりつけ医を決める上で、通院のしやすさは大切です。高齢者のケースでは、介護と連携することになります。そのため、地域介護に詳しい医師もしくは地域介護のサービス事業者と提携している医師をかかりつけ医にしましょう。今後のことを見据えて、地域介護に詳しい医師のほうが何かと相談にのってもらいやすいです。介護と連携できるかどうかについては、診察時に医師に確認しておきましょう。

医師との相性が合っているか

かかりつけ医は継続して受診するため、些細なことでも話せる関係性が大切です。また、不安なことに対して、丁寧に説明してくれるかどうかもかかりつけ医を決める上で、重要なポイントになります。ただし、医師の説明が分かりやすいかどうかは、個人によって異なります。医師の説明で分からないところがあれば、あやふやにするのではなく、しっかりと質問しておきましょう。患者様と医師が信頼関係を築かれていくことが理想です。気になることや不安なことがありましたら、まずは相談してみましょう。

医師は患者様の健康状態を知る姿勢があるか

かかりつけ医は、患者様の異変になるべく早く気づく必要があります。そのため、診察時には患者様からの話しや病歴、生活習慣等の確認を行っておくことが大切です。かかりつけ医を決める上で重要なポイントは、医師は患者様から健康状態をしっかり聞いて、対応が良いかどうかです。患者様の話しを最後まで聞いてくれる医師をかかりつけ医にされることを推奨しています。

専門の医療機関と連携してもらえるか

かかりつけ医は、必要に応じて専門の医療機関を紹介しています。かかりつけ医を決める上で重要なポイントは、専門の医療機関への受診が必要な状況下において、適切な医療機関を紹介してもらえるかどうかです。心配なことがありましたら、普段からかかりつけ医に相談しておきましょう。

認知症に関する知識を持っているか

地域の開業医等を対象にして、認知症に関する研修があります。この研修によって、認知症の診断時に必要な知識や認知症のご家族とのコミュニケーション方法を習得できます。かかりつけ医のほとんどは、認知症に関する知識を持っていますが、中にはあまり知識を持っていない医師もいらっしゃいます。認知症の知識を持っていると、長期的に診てもらえますし、何より安心できます。かかりつけ医が認知症について理解があるかどうか気になる場合には、一度認知症に関する相談や質問をしてみましょう。老年病専門医に相談するのも安心です。

終末期医療に関する知識を持っているか

かかりつけ医が終末期医療に関する知識を持っていて、相談できることは大切です。これまで高齢者をたくさん診ている医師であれば、安心できます。在宅医療が必要であれば、まずはケアマネージャーに相談しましょう。ケアマネージャーとは、介護保険サービスを受けられるように、事業者との調整やケアプランをつくってもらい、日常生活をより良くするために欠かせない存在です。そのため、訪問看護ステ-ション、ケアマネージャーとも相談しやすい関係性を築いておきましょう。

かかりつけ医との上手な付き合い方

かかりつけ医を決めたとしても、必ずしもかかりつけ医を通さなくても問題ありません。かかりつけ医が昼夜問わずに対応することはできないからです。休診日や診療時間外には、別の診療所を受診しましょう。かかりつけ医には後から報告することにして、状況に応じて冷静に対応しましょう。かかりつけ医から専門の医療機関に紹介された場合も、紹介先の病院での検査結果や治療経過について適宜報告しておきましょう。
かかりつけ医と普段から信頼関係を築いておくことは大切です。普段の会話から病気の治療や予防につながるかもしれません。最初は緊張して、かかりつけ医と上手く話せなくても徐々に慣れていき、病気や症状に関する不安なことや悩んでいること、他愛のない日常の話しもできるようになるかもしれません。かかりつけ医も診療を通して、患者様から様々なことを学んでいます。お互い信頼できる関係性を築けるように心がけています。
しかし、かかりつけ医との相性が合わなかったり、何らかのきっかけによって信頼できないと思われた場合には、かかりつけ医を変えてみるという選択もあります。また、専門の医療機関の紹介が必要であるにも関わらず、紹介を行わない等がありましたら、速やかにかかりつけ医を変えられることを推奨しています。不信感を抱いたまま、継続して受診するよりも、信頼のおけるかかりつけ医に診てもらうほうが安心できるかと思います。医師との信頼関係は、円滑に治療を進めていく上で重要です。不安なことや気になることがありましたら、1人で抱え込まずに、身近な人に相談しましょう。

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